日本でサーフィン雑誌が普及してきたのが1976年オーシャンライフの臨時増刊号として出版された「サーフィンワールド」、それもしばらくは季刊でした。それまで身近なサーフィンの情報源といえばサーフショップに置かれたアメリカから直輸入されたSurefer誌とSurfing誌。決して安いものではなかったですが、しばらくするとディスカウントされるので主にそれを購入していました。情報といっても文章が長い記事は苦手で、掲載されている写真や映画(壁に貼ったりしてました)や通販の広告が何より楽しみでした。1975年ごろのアメリカのサーフィン雑誌に必ず載っていたのがVal SurfとKanoa Surf という通販会社の広告。特に毎回気になっていたのがKanoa Surfの広告に小さく写っていたバックル(画像右下)。
このサーファーやトロピカルな絵が描いてあるバックルは、パシフィカ MFG.という会社の製品で、主にイーグルスやキッス、パブロクルーズなどのロックスターのアルバムアートをバックルにして販売していました(多分版権など気にしてなかったと思います)。ロンドンのV&A博物館にはデビッド・ボウイのものが所蔵されているそうです。
パシフィカ社は74年頃から、金属のバックルの上に印刷した紙を乗せて、その上から樹脂(ハードエナメル)をかけたバックルを作り始めました。ロックスターの他、絵画やスポーツファン向けのバックルを作っていましたが、78年には製造を中止してしまったようです。76年から製品の裏側に年号と型番号の刻印がされるようになりましたので、75年以前のものは刻印無し、刻印有りは76〜78年ということになります。
下は74年のSurfer誌に掲載されたパシフィカ社の広告
日本ではサーフデザインのものがサーフショップで売っていたような記憶があります。下の画像は75年のサーファー 誌に載っていたHang Tenの広告で、ジェイ・リドルが着けているトロピカルデザイン(映画サントウシャのポスターデザイン)と同じものを七里ヶ浜にあったサーフショップハワイ(D&S)で見つけ、即購入しました。
当時購入したものは残念ながら盗難にあってしまいましたが、その後海外で見つけて買い直しました。
そしてサーフショップに置いてあったのが下のような皮ベルト。バックル部分がスナップになっていて簡単に取り替えができるようになっています。似たものにウエスタンベルトがありますが、そちらはカントリー風のレザーカービングが施してあったり、ベルトの先端に金具がついているもので、ヒッピー風でありません。ヒッピー風は簡単なスタンプ(主に花柄)に簡単な着色、編み込んだもの、ビーズが着いたものがありました。このバックルにはヒッピーベースのベルトが似合います。(終)