第14回 Going Surfin’ 〜 Poster

第14回 Going Surfin’ 〜 Poster

映画について

世界で最初に16ミリサーフムービーを作ったバド・ブラウンの最後で最高の作品が”Going Surfin'”。コンセプトは「古き良きサーフィン デイズ」。1953年からの膨大なフィルムストックと(当時の)今のサーフィンを対照的に表現できるのはバド・ブラウンしかいないのでは、という作品。

60年代のトップサーファー、フィル・エドワーズ、マイク・ドイル、デューイ・ウイーバーからジェリー・ロペス、ジェフ・ハックマン、そして売出し中の若手ラリー・バートルマンまで様々なサーフィンが堪能できる素晴らしい作品です。

全てが見どころと言っていい作品ですが、そのひとつがバド・ブラウンが得意とする水中映像でしょう。
“Five Summer Stories”のカメラマンとして初めてパイプラインに水中カメラを持ち込んだバドですが、本作品でもパイプラインのほかワイメアベイでの水中撮影シーンがあり、目の前で炸裂するワイメアの波の映像は圧巻です(この後分厚いスープに揉まれてるはず)。”Free Ride”の水中から波に乗るサーファーを捕らえるシーンは感動ものですが、その4年も前にバド・ブラウンはこれをやっていたんですね。

またデビッド・ヌヒワがあの鷲のマークのDYNOサーフボードのツインフィンでロッキーポイントをサーフしているシーン。ロングやシングルフィンのシーンは割と見かけるのですが、ツインフィンはあまり他の作品では見れないので貴重な映像です。

その他見どころとしては…
・ラリー・バートルマンのオフザリップとフルラウンドハウスカットバック
・バリー・カナイカウプニ、デビッド・ヌヒワの若い時のサーフィンやマイケル・ホーの子供時代のサーフィン
・パイプラインでのスローモーション水中映像とリアルスピードでの迫力などなど

ポスター

Going Surfin’ Poster 筆者所有

Title: Going Surfin’
Year: 1973
Size: 26x 42cm
Producer: Bud Browne
Artist: Jim Evans
Origin: U.S. Issue: U.S.

”Going Surfin'”シリーズのアートワークは全てジム・エバンスが手掛けており、彼は”A Sea for Yourself”,”Standing Room only”,”On any Morning”などのサーフムービーポスターのほか”Control Products”や”Wax Research”などサーフィン関連用品のポスターなどでも活躍していました。

こちらは1976年にその年のシークエンスを追加した時のポスター。ジェリー ・ロペスがパイプラインでカメラを持って撮影したようなのですが、当時この作品は見たはずですが、このシーンは覚えていません。ビデオでもまだこの映像は見たことが見たことがありません。

Title: Going Surfin’ (’76 ver.)
Year: 1976
Size: 31×50 cm
Producer: Bud Browne
Artist: Jim Evans
Origin: U.S. Issue: U.S.

The New Going Surfin’ 筆者所有

Title: The New Going Surfin’
Year: 1977
Size: 31×54 cm
Producer: Bud Browne
Artist: Jim Evans
Origin: U.S. Issue: U.S.

こちらは1977年にファイブ・サマー・ストリーズのプロデューサー、グレッグ・マッギリブレイと共同で再編集して”The New Going Surfin'”というタイトルで再リリースされた時のポスター。「ニュー」の方では新たな映像が加ったほか、ナレーションの脚本をサーファー誌などでライターをしていたドリュー・カンピオンが書き、音楽も新たに追加されています。(終)