フリーライドの”Zero to Sixty in Five”にしろ、ファイブサマーストーリーズの”Blue of Your Backdrop”にしろ、名作と呼ばれる作品の最初のシーンと音楽はどれも傑作だと思います。このコスミック・チルドレンではデイブ・ブルーベックの名曲”Take Five”の曲に乗せてデビッド・ヌヒワのハンティントンビーチのシングルフィン・ショートボードのサーフィンから始まります。
ハル・ジェプセン監督の第1作目”The Cosmic Children”の見どころ
その1 マリブビーチのローカル J ・リドルの多彩なサーフィン
ドライブターンあり、サイドスリップからの360度ありのシングルフィンテクニックが満載。
Matt Warshaw著「サーフィン百科事典」によると、J・リドルのサーフィンが見られる映像は少なく、貴重な作品です。
このJ・リドル、映画”Big Wednesday”で主役のマット(ジャン・マイケル・ヴィンセント)のサーフスタントを担当していました。ちなみにジャック役をピーター・タウネンド、リロイ役をイアン・カーンズが担当していました。
その2 ジェフ・ハックマンのサンセットビーチでのボトムターン
サンセットの長いスロープを降り切ってもなお、その先まで行ってからの秀逸ボトムターンはシングルフィンサーファーにとってはお手本のようなボトムターン。
その3 ジャズ、ブルース、ロックの名曲とスーパースターたちの共演。
中々今では不可能な選曲はハル・ジェプセンのセンスを感じます。使用曲、思いつくところで書きますと…Dave Brubeck(Take Five), The Byrds(Wasn’t Born to Follow), John Mayall(Room to Move), Jothro Tull(Bouree), Rolling Stones(Sympathy of the Devil), Chambers Brothers(Love, Peace and Happiness), Cream(White Room) etc.
Title: The Cosmic Children
Year: 1970
Size: 24×38 cm
Producer: Hal Jepsen
Artist:
Origin: U.S. Issue: U.S.
このポスター、アーティストは不明で、しかも何が描かれているかよく判らないですが、ハレイワでのジェフ・ハックマンのボトムターンがモデルになっています(本編に同じシーンが出てきます)。
そして上映場所がアリゾナ州立大学。アリゾナ州って海に面していないはずですが…と思いましたら、アメリカで最初の人工サーフィン場”Big Surf Waterpark”があるんですね。ちょうど上映少し前の69年にオープンしています。ハル・ジェプセンの次作”A Sea for Yourself”でこのプールを紹介していて、J・リドルが自身のサーフボード、”ナチュラルプログレション”の短いツインフィンでトリッキーなサーフィンを披露しています。(終)