第39回 あの頃の湘南Surfing(12)湘南サーフマップ1990【茅ヶ崎】

第39回 あの頃の湘南Surfing(12)湘南サーフマップ1990【茅ヶ崎】
2024-07-11

湘南サーフマップ1990【茅ヶ崎】

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記事は1990年に遡って書いています。また*印は2024年時点の注釈です。

サーフポイント2000【茅ヶ崎】

鵠沼からパーク下まで続く海岸線は比較的浅く鵠沼、辻堂のような波質。裏パークから西は沖が深いため、地形が整い台風が来れば太平洋からのうねりをダイレクトに受け止め、パワフルな波質となる。

チサン:辻堂、クソ下と同様の波質。左右の小さな川の河口前と中央あたりに春先や冬にサンドバーができるとチューブの波が楽しめる。サンドバーができればレギュラー・グーフィーどちらも期待できる。サンドバーが形成され易い3箇所には名前が付いている。
-チサン正面
-船小屋前
-堤防下

チーパー:最初にこのポイントがメディアに登場したのはサーフィンライフ1987年6月号のジョージ藤沢プロのポイント紹介記事。チサンとパークの間は距離があり以前から何箇所かピークがあった。駐車場が無いため人が少なく人混みを避けたローカル達がここでサーフィンするようになり、その後人が集まりだしてポイントに名が付いた。

パーク下:90年にパシフィックパークのちょうど正面にT字型の突堤(Tバー)ができたことにより、突堤の東側を「パーク下」、西側を「裏パーク」と呼ぶようになった。突堤の左右に砂が着き、安定したサンドバーが形成されるようになった。ビーチにはボードウォーク*1ができ、憩いの場になっている。

裏パーク:Tバーができたことで生まれたポイント。こちらから西側は別の海岸線になり波がよりパワフルになる。

一中下:第一中学校の前のポイント。こちらもジョージ藤沢プロのポイント紹介に登場するポイント。大潮の干潮時レギュラーのホレたチューブが出現する。

正面:茅ヶ崎駅から雄三通りを来た正面。ジョージ藤沢プロの記事では「バムポイント」と紹介されている。オンショアでも良い波になることがある。

シラカバ前:かつてフジボウルの敷地にあった「レストラン白樺」の前。テトラの影響か地形と潮が変化しやすい。ここ最近は砂が付いて良い地形になっている。「レストラン白樺」は「クーガーズクラブ」ビリヤード&バーになっている。

ユース前:茅ヶ崎球場の隣にユースホステルがあり、この名が付いた。ユースホステルの駐車場とシャワーが使える。

ショップ下:「ゴッデスサーフショップ」の前。70年代初めはこの辺りにショップはここしかなく、当時のサーフィン少年の間で「ショップ下」と呼ばれていた。

海水浴場:プールから防波堤までの茅ヶ崎海水浴場一帯

カボチャ:2本ある防波堤の東側の防波堤に沿って崩れるレギュラーのポイントブレイクだったが、防波堤の延長で以前のブレイクは無くなった。南風の強い日でも入り易いポイント。堤防にある溝に波が当たるとカポカポと音がするためこの名が付いた。

西浜:ビーチブレイクながら湘南随一のパワフルな波。かつては小さい低気圧でも反応して、急に波が上がるポイントだったが、ここ数年は本来の姿を表していない。ここが良い日はプロやトップアマのセッションが見れる場所。

柳島:西浜と並び古くからあるローカルポイント。うまくサンドバーができればビーチに対し斜めから入るポイントブレイク風の波が楽しめる。

馬入:河口正面にできるサンドバーの形や大きさによって波質が左右される。南東からのスウェルと潮回りが合えばホローな三角波が形成される。ここ数年良いブレイクが復活しているのは河口周辺に投入されたテトラの影響しているとの説がある。カレントと川の流れが複雑なので注意を要する。*2

注釈(2024)

*1「SURF’90」イベントでは各所にボードウォークが作られ、ここもイベントの一環としてボードウォークが作られていたと思う。
*2当時の河口には茅ヶ崎側の防波堤と川の中央に中洲のような防波堤があったが、今は中央の防波堤は平塚側の岸(漁港)と地続きになっている。河口は現在サーフィン禁止エリアになっている。

サーフショップ1990【茅ヶ崎】

( )内は開店した年

ポイントパニック(80年):「ドロップアウト」の直営店。ボードは”ドロップアウト”。

マカイ(87年):正式名称は「ザ・ショップ マカイ&サンズ」。81年の創業時は汐見台にあったが、85年に「ASO」と入れ替わるかたちで柳島に移転、その後87年に現在の常盤町に移転した。サーフボードは”ロックダンス”、”ヒロミチ・ソエダ”。

パムン(88年?):1976年創業の波田野博文さんのお店。79年に浜須賀にショップをオープン。88年ころに緑が浜に移転。ボードは波田野さんシェープのオリジナル。90年ごろ閉店 

④ラバーズロック(85年):1981年の開業当初は辻堂浜見山交差点の近くにあったが、85年に店名を「ラバーズロック サーフギア」として汐見台に移転。ライダーは小野寺裕幸プロと佐藤まりえプロ。ボードは”ラバーズロック”と小川修一プロシェープの”ウォーターフラッシュ”。”マジックアイランドウェットスーツ”はオリジナル。

⑤10オーバー(89年):70年代茅ヶ崎に高橋和夫氏とともに「サンシャインサーフボード」を立ち上げた渡辺誠一プロのお店。ボードは青田琢二プロシェープのオリジナルと”YU”、”ロペス”。

アニーズ(79年):関野和雄(アニー)さんのお店。ボードはオリジナルの”アニーズ”と”マーク・エンジェル”。”ゴールデン・コブラ”ウェットスーツはオリジナル。

ハード&メロー(85年):”あんちゃん”こと菅原雅彦さんのお店。ボードは滝本(マント)利範プロシェープのオリジナル。

サーフフレックス(83年):”モスケさん”こと三橋敬一プロのお店。ボードは三橋プロシェープのオリジナルの”フレックス”とグレン・パング氏シェープの”パフォーマンスハワイ”。ハワイ出身の若手グレン・松本プロがライダーを務めている。

パーティー(90年):ボディーボーダーの秋元健プロのボディーボードの専門店。今年東海岸通りに新店オープン。”チップスブギークラブ”というクラブがある。ボードは”スリーピー”、”モーリー”、”ウェイブレベル”。

ドミンゴ(75年):72年創業の阿部川芳夫プロのお店。ボードは飯尾進さんシェープのオリジナルとスパイダー・マーフィー氏シェープの”スパイダー”。大磯と辻堂にもショップがある。ライダーは本荘睦プロ。

カントリーライン(88年):70年代に柳島でボードを作り始めた宇佐美潤さんのお店。かつては平塚にショップがあったが、88年に「喫茶店ランプ」の場所にオープン。ボードはオリジナルの”カントリーライン”。

フリュードパワー(サーフバム)(79年):ジョージ藤沢プロのお店。75年の創業当時は現在の場所から数件海よりにお店があった。79年にショップ名を「サーフバム」から「フリュードパワー」に変更。ボードは”ランディ・ラリック”、”サーフバム”、”フリュードパワー”、”ベアー”。

ビーチパーク(90):もともと立川にあるサーフショップだったが、90年に茅ヶ崎在住のオーナー伏見康博さんの地元に移転。新店舗ビル完成が91年3月の予定。現在仮店舗にて営業中。ボードは”ブラザース・ニールセン”、”マッコイ”、”SOS"。

ムラサキスポーツ茅ヶ崎店(88):湘南にあるお店だけにムラサキスポーツの中でも一番サーフィン関係の商品が充実している。ボードは”パフォーマー”、”アクター”、”ウイリス”など。*1

ゴッデス(73年):鈴木正さんが1964年に創業した湘南で一番古くからあるお店。ボードはオリジナル。シェーパーは鈴木正プロ、鈴木捷吾プロ。

サーフブレイク(78年):ボードはカリフォルニアの”オフショアサーフボード”。オフショアのアクセサリーやウエアも豊富に揃っている。

セバスチャン・インレット(88):ボードは”マット・ケックリー”。紫外線に強く、従来のものより20%強度がある”ディオンレジン”を使用している。

セントラルビーチ(84):オーナーはシェイパーでもある滑川郁夫さん。ボードはオリジナルの”CB”と”マーク・エンジェル”。鵠沼にもお店がある。

アウトキャスト(88):パワーズのあった場所にオープン。ボードは池田茂幸さんシェープのオリジナル。

PSCマリン:(88?):三橋雅道さんの「パワーズサーフクラフト」が88年頃に斜向かいに移転。サーフィン以外にダイビング、ウインド、ダイビングなどマリンスポーツ全般扱っている。ボードはオリジナルの”PSC”。

ブラウンシュガー(87):山崎秀城さんのお店。ボードは”アロハ”サーフボード。

ASO(85年): 阿蘇秀訓さんのお店。80年の創業当初は柳島海岸で”HIC”、82年に”サーフィングハワイ”と店名を変え、83年末に柳島の「サーフビート(ビクトリー)」だった場所に移転、店名も「ASO」になり”サーフィングハワイ”のほか”アイランドクラシック”も扱うようになった。85年に現在の柳島海岸に移転(創業時の場所の近く)。

ウォーターマインド(80年):オーナーシェーパーである大沢俊幸さんのお店。ボードはオリジナルで、お店の裏がシェーピングルームになっている。

***西湘エリアのサーフショップ
・BEE(酒匂)、WAV’Y(吉浜)、ドミンゴ大磯(大磯)、ザ・ショップ(平塚)、ココパームス(平塚)、サーフハット(平塚)、ウィザード(平塚)

注釈(2023)
*1:当時「ムラサキスポーツ」は上野本店ファッション館、上野店、神田店、原宿店、川崎店、茅ヶ崎店の6店舗だった

あのサーフショップ1982〜1989【茅ヶ崎】

1982から1989年の間にあったが移転、廃業、退店などで90年には確認できなかったショップ。( )内は営業時期

ブルーゾーン&ジュディーズ[常盤町](87〜?):「ブルーゾーン」というサーフショップと「ジュディーズ」というブティックが合体したお店。「マカイ&サンズ」の隣にあった。

オフ・ザ・リップ【松浪】(87〜?):町田にある「オフ・ザ・リップ サーフショップ」のクラブハウスだった場所に87年にショールームとしてオープン。90年には確認できなかった。

Tabu’s[中海岸](80〜88年):海水浴場入り口にあった榊原正雄(タブー)さんのお店。もともとレストランが併設されていたショップだったが、85年ごろにはカフェバー中心のお店に。88年に新しいビルが建てられブティック「リゾート・リパブリック」が入った。

ドロンズ[東海岸/中海岸](79〜88年):石崎秀一(ドロン)さんのお店。79〜85年は東海岸通りに、85〜87年は中海岸通りにあった。*1

タートルハウス[中海岸](80〜84年):創業は80年、81年に「コスミックサーフボード」があった場所に移転。84年に閉店し「セントラルビーチ」に代わった。

サーフビート(ビクトリー)[柳島](75以前〜83年):ビクトリーウェットスーツの直営店。78年柳島に移転する前は海水浴場入り口にあった。移転当初は「ビクトリー プロショップ」という名前だったが、81年に「サーフビート」という名前に変更。83年に閉店し、ASOに代わった。

バックドア(84〜?)[柳島]:藤沢に工場を持つ茨城阿字ヶ浦のショップ。ボードはオリジナル。

注釈(2024)
*1「ドロンズ」は2001年中海岸に再オープン。

サーフブティック1990【茅ヶ崎】

ジャンクマーケット:アメリカにありそうな倉庫みたいな建物。ほとんどがアメリカからのインポートの雑貨やウエア。

ピーカーブー:89年6月にオープンした湘南発のサーフブランド”ピーカーブー”の直営店。流行りのネオンカラーのウエアが揃っている。

SHADE’S:こちらも湘南発のブランド”シェイズ”の直営店。TシャツやスパッツのほかアクセサリーやソウルやラップのCDやカセットまで置いてある。藤沢(コスタ)、横浜にも直営店がある。

スポーティフ:元祖湘南発のブランド。「カフェ ブレッド&バター」の創業者である”セミさん”こと岩倉瑞江さんが創る湘南の風景に似合う”Made in Shonan”のリゾートウエアのお店。青山や多摩プラーザにもお店がある。

バルボア:バリにある直営工場からのウエアやアクセサリーが豊富にある。オリジナルブランドの”RYU”も豊富に揃ってる。

リゾートリパブリック:海水浴場入り口にある白い建物にピンクのペリカンマークが目印。90年閉店

オクトパスアーミー:「リゾートリパブリック」に変わって90年夏にオープンしたのが「オクトパスアーミー」。「ジャンクマーケット」の経営という話も(未確認)。

ランドマーク・レストラン情報1990【茅ヶ崎】

海犬茶屋:七里ヶ浜の海犬茶屋の支店。本店と違ってこちらはモダンな2階建。【鶏肉のキムチ御飯(1350円)*1】

ワヤン:東南アジア料理を和風、フランス風にアレンジしたモダンエスニック。1品1000円程度。

チップス:ドジさんの弟、井坂和美さんのお店。ホームメイドハンバーグとピザがオススメ。【ハンバーグ(1000円)、豆サラダ(700円)*2】

注釈(2023)
*1:Fine1990年8月号
*2:Fine1989年5月号


参考文献
「茅ヶ崎市明細地図 昭和62年、平成2年、3年」明細地図社
「サーフィンワールド(SW))Vol.9 No.2/1976, Vol.10 No.5/1985, Vol11 No.1-9/1986, Vol13 No.2,3,5,7,9-11/1988, Vol14 No.1-12/1989, Vo.15 No.1-12/1990」オーシャンライフ社
「サーフライフ(S L)Vol.7No.1-12/1986, Vol.8No.1-12/1987, Vol.9 No.1-12/1988, Vol.10No.1-12/1989, Vol.11No.1-12/1990]マリン企画
「サーフィンライフJr.」Vol.1/1987,Vol.2/1988」マリン企画
「Fine5月号/1885、7月号/1987、8月号/1988、8月号/1989、5,7,8,9月号/1990、8,9月号/1991
「サーファー第1号/1987ー第45号/1990」サーファーパブリシング社
「ヨミウリスペシャルRout134/1990」読売新聞社

🔳次回は「あの頃の湘南Surfing2000」お楽しみに〜