サーファーにとってサングラスは必需品。
ところで70年代ってどんなサングラスしてましたっけ?
70年代前半の日本、サングラスは今ほど必需品ではなかったし、サングラスに対してのイメージもそれほど良いものではありませんでした。それでもサーファーに限らずお洒落な人たちの間ではレイバンのティアドロップが流行っていたいたような気がします。高校生の我々には本物には手が出なくて、原宿で買ったレイバン風のサングラス なんかでカッコつけていました。
当時のサーフショップにもレイバン風は置いてあリましたが、眼鏡屋には絶対売っていないアメリカで買い付けて来たというサングラスがこの形。オリジナルはフランスの”I Ski”というブランド。当時”I Ski”はなかなか日本では手に入らなかったので(確か日本製のI Skiもあったようですが)、I Ski風のものが多かったと思います。これはミラーグラスが入った日本製ですが、青いグラスが入ったものもありました。サーフショップで売っていたのは主にアメリカのブランド”Tropi-Cal”と”American Optical“でした。以前紹介した”Going Surfin”のポスターにもこのサングラスをかけたサーファーが描かれています。
日本のサーフファッションを大きく変えたのが79年。この年ワールドサーキットが日本で4戦も開催され、世界のトップサーファーが全員が来日しました。そして驚いたのはみんな小綺麗なカッコをしていること。それまでのヒッピー風ファッションだったサーファーファッションが一気に変わりました。その時彼らトップサーファー達が使っていたのが角ばったセルフレーム。特に印象的だったのがマイケル・ホーやディーン・ケアロハらのハワイアンチーム。このサングラスにフードパーカーのフードをかぶるスタイルがすごく新鮮でカッコ良かったです。
これは79年のサーフィング誌の記事とサーファー誌の広告。左のラビットも右のマーク・リチャーズもこのサングラスです。ノースの流行がそのまま湘南に来たっ!て感じです。
早速、横浜のメガネ屋さんを探し回りましたが、置いてあるのはレイバンのウェイファーラーばかり。レイバンのセルフレームといえばウェイファーラーが有名ですが、どうしても50年代、60年代のイメージで、あのトッププロ達のとは大きく違う。それでアメ横まで足を伸ばしてやっと見つけたのがこちら、レイバンのステートサイドというモデル。トップサーファー達が使っていたのと同じ 。おそらく一般には流行っていませんでしたし、一部のサーファーにしかわからないところがカッコ良かったです。当然アメリカ製のフーディー(裏がパイルじゃなくて起毛のヤツね)に黒のクイックシルバーのトランクスと合わせてハワイアンを気取っていました。
そしてステートサイドの積層プラスチックにポラロイド偏光グラスのモデル。
暗いところではイエロー、明るいところではアンバーになるという触れ込みでしたが、今の偏向グラスより感度は良くありません。こちらは80年代前半に東急ハンズ藤沢店で購入したと思います。こういった積層モデルもこの時代、多く見かけました。
こちらは87年にロサンゼルスで購入したヴァーネット(ブアルネって読むのかもしれません)。レンズの上と下の部分がグラデーションでミラーになっていて中央は濃いレンズになっています。フレームもナイロンで丈夫で軽いため今でも使っています。形はステートサイドに似ていますが、わずかに湾曲していてより立体的になっています。このブランド、サーファーの間では人気がありました。また当時はBucciのキャッツ・アイというサングラスも人気でした。
そして90年代に入るとオークリー が一世を風靡するようになります。(終)